秋空のうた

傷ついて
大人になって

また、あなたを好きになろう

カナ、ミキ、アユミ、ナツミ、桜子、美奈子、若林、オオシマ(45分)

obra teatral cedida por Ignacio Suárez Beauville
ignaciob@terra.es

(机に向かって手紙を書いている少女がいる。そこへ、叔母がやってくる。)
カナ   ・・・よし、終わり。
オオシマ 何を書いてたの?
カナ   手紙よ。今、書き終わった。
オオシマ また新しい歌の歌詞?まあ、今じゃ加奈ちゃんは売れっ子の作詞家だものね。次から次へと書かなくちゃいけなくて、大変そうだけど。
カナ   今度のはそうじゃなくて、普通の人に出す普通の手紙よ。
オオシマ へえ、誰への手紙かしら? 
カナ   (少し考えて)・・・あたしにとって、一番大切な人へ、とでも言っておこうかな。
オオシマ やぁだ、もしかしてラブレター?分かるわぁ、そういうの。あたしも昔出したことあるのよ。結構勇気がいるのよね、ポストの前で三時間ぐらい行ったり来たりして。 
カナ   そんなんじゃない。ただ、約束したから。いい詩が書けたら、真っ先に知らせるって。じゃ、手紙出しにいってきます! 
(音楽が流れ始める。幕が開いて、舞台が急に明るくなる。)
ミキ   あ、加奈、おはよう。
カナ   おはよう。ねえ、美紀、あたしあのことについて考えてみたんだけど・・・・
ミキ   ああ、作詞家にならないかって話のこと?いいじゃない。やってみれば。雑誌の投稿でスカウトされたんだもん。自信もっていいと思うよ。
カナ   うん。昨日、東京から電話がかかってきて、東京で仕事しないかって。
ミキ   え・・・・・?
カナ   あたし東京に行く。おばさんの家に居候させてもらうことにしたの。
ミキ   え、だって学校は?
カナ   向こうの学校に行く。高校だって、ちょっと頑張れば受かりそうだから。それにね、居候させてくれる叔母さんが、とっても面白い人なの。あたしちっちゃい頃からなついてたのよ。イタズラとかも一緒にやったりして。年はかなり離れてるけど、友達みたいなの。
アユミ  先輩、東京にいっちゃうんですか?
カナ   うん。どれだけ自分がやれるのか、試してみたいから。
ナツミ  そっか、加奈先輩の夢ですもんね。
ミキ   ・・・・・そうだよね、加奈の夢だもんね。
カナ   あと一ヶ月位したら東京に行くと思う。準備もしなきゃいけないし、これから忙しいんだ!
ナツミ  あたし、手伝いますよ。
アユミ  あたしもあたしも!
カナ   よーし、じゃあいっしょにやろっか!
(カナ、アユミ、ナツミ、楽しそうにしゃべりながら去る。)
ミキ   こうして加奈は東京に行くことになった。加奈は・・・・・・嬉しそうだった。これから自分の夢をかなえにいくんだから当然だ。でもあたしは少し寂しかった。中学一年の頃からずっと三年間一緒にいて、本当に仲のいい友達だったから。あたしはそれからの一ヶ月を、大切にすごそうと決めた。そしてその一ヶ月は、あっという間に過ぎてしまった。 
(カナがやってくる。ナツミ、アユミも一緒だ。)
ミキ   ・・・・・本当に行っちゃうの?
カナ   うん。あたしの、夢だから。
アユミ  頑張ってくださいね!
ナツミ  手紙も書いてくださいよ。
(電車がやってきた音。四人、電車を見つめる。)
カナ   手紙、書いてくれるよね。
ミキ   (うなづく)
カナ   あたし、頑張るから。絶対、頑張るから。
ナツミ  先輩の書いた詩、待ってますから!
アユミ  おこづかいピンチでもちゃんとCD買いますよ。
ナツミ  美紀先輩は、何か言わないんですか?
ミキ   ・・・・・・待ってる。
三人   ?
ミキ   手紙・・・・・待ってるから!
カナ   分かった。あたしも待ってるね。
アユミ  いってらっしゃい!
(電車が動き出す。舞台徐々に暗くなり、美紀だけに明かりが。)
ミキ   加奈は東京へ旅立っていった。それから何度か、手紙が来た。どれもこれもすごく幸せそうな手紙。(美紀、ポケットから手紙を出して、)
ミキ   「ひさしぶり!あたしは今いろんな曲の作詞を引き受けています。まだ名もないバンドの曲だったりするけど、これからどんどんおっきくなっていくと思います。みんないい人達で、特にあたしのマネージャーの若林さんは面白い人です。若林さんもまだ新人で、おっちょこちょいなところもあるけどいい人です。」
(舞台明るく。カナのいるところに明かりが。)
カナ   今日も若林さんと一緒に打ち合わせをしました。おばさんがコーヒー入れてくれたんだけど、それを若林さんが受け取ろうとして落としてしまって、あたしのパソコンがコーヒーまみれになってしまいました。未だにコーヒーの香りが漂ってます。
若林   すいません、僕のせいで・・・・・・
オオシマ いいんですよ、別にわざとやったわけじゃないんだし。
カナ   壊れたら弁償してくれますよね?
若林   ・・・・・・いくら?
カナ   二十九万八千円。
若林   俺が悪かった。許してくれ。
カナ   全くもう。あたしの宝物なんだからね。
若林   あっそうだ、加奈ちゃんにいい話があるんだ。
カナ   何?いい仕事が見つかったの?
若林   ああ、加奈ちゃんの行ってる高校に坂倉美奈子先生って人がいるんだ。その先生が、今度の合唱コンクールで自作の曲をやりたいっていってるんだ。その曲の作詞。
カナ   な〜んだ。学校の話か。
オオシマ でも、合唱コンクールに出るんでしょ。だったら高校生作詞家として有名になれるんじゃない?
若林   俺が狙ってるのはそこなんだ。なんてったって関東全域の合唱部が集まるんだ。だとしたら名を売るチャンスがあるんじゃないかと思ってね。
カナ   そんなに上手く行くかなあ。
オオシマ やってみなきゃわからないわよ。
若林   どう?やってみる?
カナ   ・・・・・うん。やってみます!
(若林、オオシマ去る。舞台暗くなり、ミキにだけ明かりが。)
ミキ   「こんな感じで、あたしは合唱コンクールのための作詞を引き受けました。詩が書けたら送ります。じゃあ、また今度。」
アユミ  へぇ〜。先輩、がんばってるんだ。
ミキ   うん。段々仕事も増えてきてるみたい。まだ全然有名じゃないけど。
桜子   がんばってる、か。青春ねえ。
ナツミ  桜子先生!
アユミ  びっくりしたあ!いつからそこにいたんですか?
桜子   美紀ちゃんが手紙読み始めたところからよ。加奈ちゃん、頑張ってるのね。
ミキ   先生、その「美紀ちゃん」っていうのやめてくれませんか。あたしこれでも高校生ですから。
桜子   いいじゃない。こっちはあなたのこと、中学一年の時から知ってるんだから。
ミキ   もう三年も経ったんですよ。
ナツミ  先生も老けたよね。
桜子   何か言った?
ナツミ  いえ、べつに、なにも。
桜子   あ、美紀ちゃん、ちょっとその手紙貸してもらえる?
ミキ   え?ああ、べつにいいですよ。
桜子   音楽の先生の名前って、「坂倉美奈子」?
ミキ   そこにそう書いてありますけど?
桜子   やっぱり!なつかしいわあ!
アユミ  お知り合いなんですか?
桜子   昔の友達なのよ。ず〜っと長い間会ってなかったけど、東京で音楽教師になってるなんて思いもしな     かった。
ミキ   ・・・・・どれくらい、会ってなかったんですか?
桜子   六年、位かな?手紙も来なかったし、電話もしなかった。でも全然忘れてない。美奈子のことは。
ミキ   六年・・・・あたしは一瞬、加奈のことを想った。ほんの少しだけ、不安が頭の中を横切った。加奈は、六年離れていてもあたしのことを覚えていてくれるだろうか、友達でいられるだろうか。そんな風に思った。でも、それはあたしの頭の中ですうっと溶けていった。絶対大丈夫。あたし達はずっと友達でいられる。そんな自信があたしにはあった。
桜子   あれ、もうこんな時間。ほら、中学生は家に帰りなさい!二人とも。
(アユミ、ナツミ、喋りながら去る。)
桜子   美紀ちゃん、いま、加奈ちゃんのこと考えてたでしょ。
ミキ   何で分かったんですか?
桜子   女の直感よ。でもね、深く考えすぎない方がいいわよ。相手との距離が見えなくなっちゃって、最後     には壊れちゃうから。
ミキ   壊れる?
桜子   そう。相手がすごく自分の中で大きくなっちゃうの。だから相手が怖くなる。本当に大好きで、でも・・・怖くて。自分がすごく相手のことを大切に想ってるから、相手にも自分を大切にみてもらいたくなる。二人とも違う人間だから、距離がなくちゃいけないのに、それが分からなくなってしまう。
ミキ   大丈夫です。あたしは。
桜子   そっか、美紀ちゃんはしっかり者だもんね。あ〜あ、真面目な話して疲れちゃったわ。ちょっと行ってこようかな。
ミキ   どこに行くんですか?
桜子   献血センター。いいわよお、献血って。人のためになってるってかんじがするし。何となくさっぱりするし。それに・・・・あっそうだ!美紀ちゃんってもう高校生よね。一緒に行かない?献血。
ミキ   べつにかまわないけど・・・
桜子   じゃあ一緒に行きましょうよ。絶対いいことあるから。
(美紀は手紙を見て、それをポケットにしまう)
桜子   ほら!早く!
(二人去る。) カナ   「こんにちは。昨日は桜子先生に連れられて、献血センターに行って来ました。」何でそんなとこいったわけ?わかんないなあ。「歩美ちゃんや夏海ちゃんも元気です。頑張って詩を書いてください。みんな心待ちにしています。」
オオシマ あら、お友達からの手紙?
カナ   うん。後輩の子も元気だって。
オオシマ もうこれで何通目?いい友達持ったわね。
カナ   美紀は・・・・・優しいから。どんなときでも、あたしを内側から守ってくれる感じがする子なの。

オオシマ いいわね、そういうの。大切にしなさいよ、その子のこと。
若林   お邪魔します!
オオシマ あら、若林さん。どうしたんですか、今日は日曜日なのに。
若林   加奈ちゃんに作詞の締め切りを伝えるのを忘れたんで・・・・
オオシマ 電話でいってくだされば良かったのに。あ、そうだ、コーヒーでも・・・・
カナ   ちょっと待って、お願いだからコーヒーはやめて。あたしのパソコン、まだコーヒー臭いんだから。
オオシマ いいじゃない。また落とす訳じゃないんだし。
カナ   また落とさないって言い切れる?叔母さん。
若林   僕は遠慮しときます。またこぼしたら、今度こそパソコン壊しそうだから。
オオシマ そうですか?ならいいけど・・・・
カナ   で、締め切りっていつなの?
若林   十一月の終わりには仕上げて欲しいっていうことだ。
カナ   後一ヶ月あるんだ。じゃあ結構余裕だね。どんな感じの詩を書けばいいの?
若林   優しくて、全てを包むみたいな歌を書くんだ。そうだ、坂倉美奈子先生が言うには、大きく広がる秋の空みたいな詩を書いて欲しいって。
カナ   秋の空かあ。
若林   頑張って書いてくれよ。加奈ちゃんのデビューと俺の出世がかかってるんだ。
カナ   わかった。若林さんの出世のために頑張るわよ。
若林   加奈ちゃんのデビューのためだろう。(オオシマに)じゃあ、僕は帰りますんで。
オオシマ いつもありがとうございます。
若林   いいえ、僕も好きでやってますから。この仕事は。
(若林が去る)
オオシマ 加奈ちゃん、頑張ってね。
カナ   うん。
(オオシマ去る)
カナ   秋の空。優しくて、広くて、全部を包むような秋の空。ふと、あたしの中に美紀の姿が浮かんだ。美紀も、秋の空みたいだなあ、そう思った。もう半年以上美紀に会ってない。手紙の数も最初より減ってきている。何か嫌な予感がした。もしこのまま、ずっと会えなかったら、あたし達はずっと友達でいられるのだろうか。
オオシマ 加奈ちゃん!夕飯の用意手伝って! 
カナ   美紀を疑っちゃいけない。大丈夫。美紀なら。きっと大丈夫。
オオシマ 鍋がふきこぼれてる!早く早く!
カナ   あ、はい!(手紙を見つめて)大丈夫・・・・・・だよね・・?(ゆっくり手紙をたたんで)・・・美紀。

(薄暗い舞台の片側に桜子が立っている)
桜子   え〜と、都立第三高校の電話番号は、と。
(電話をかけ始める。呼び出し音がなる。)
美奈子  はい、こちら第三高校職員室です。
桜子   ・・・・・・・・・。
美奈子  もしもし?
桜子   ・・・・・・・・・・・・。
美奈子  あの・・・どちら様でしょうか?
桜子   ・・・・・・・。
美奈子  切りますよ?(と、受話器を置こうとする)
桜子   あ、ちょっとまって、待ってってば!
美奈子  何なんですか!
桜子   あたしよ。あたし。
美奈子  あれ・・・・・?
桜子   わかんないかなあ。
美奈子  桜子・・・・・?あの、上原桜子さんですか?
桜子   大当たり。
美奈子  え、ほんと?やっぱり桜子なんだ!
桜子   久しぶりね。高校の同窓会以来だから、六年ぶりか。
美奈子  わあ!ほんとに桜子なんだ!すっごいひさしぶりだね!今どこにいるの?
桜子   今はねえ、秋田で英語教師やってるの。でもびっくりしちゃった。まさか美奈子が音楽の先生なんてやってるとは思わなかった。
美奈子  え、何であたしがここにいるって分かったの?
桜子   今そっちに、加奈ちゃんって子がいるでしょ。
美奈子  ああ、作詞やってる子でしょ。あたし、コンクールの歌つくって欲しいって頼んだけど、なんでしってるの? 
桜子   あたしの教え子なのよ。彼女は。
美奈子  へえ!そうなんだ!すごい偶然だね。
桜子   あたしも加奈ちゃんからの手紙を読んだときにはびっくりしたわよ。突然「坂倉美奈子先生」とかでてきて。
美奈子  そうかあ、そんなことがあったのかあ。・・・・・なんか、うれしいね。
桜子   え?なにが?
美奈子  あたし達って縁があるなあって思って。
桜子   そうだよね、ほんとに。
(ドアをノックする音。外から声がする。)
カナ   すいません!坂倉美奈子先生いらっしゃいますか?
美奈子  あ、お客さんみたい。ごめん、また後で電話してもいいかな。
桜子   うん、電話番号はね・・・
美奈子  あ、平気。画面に出てる。ナンバーディスプレイなんだ。この電話。
桜子   そう、じゃあ、電話待ってる。
美奈子  うん、ばいばい。(ドアの方に向き直って)どうぞ!
カナ   ・・・・すいません。お話中だったんですよね。
美奈子  いいのよ。もしかして、詩のこと?
カナ   はい。どんな感じの詩がいいのか、どうしても聞きたくて。
美奈子  曲は聴いたの?
カナ   はい。2、3回。
美奈子  あたしが作ったテープがあるから、もってって。
カナ   いいんですか?
美奈子  もちろん。
カナ   ありがとうございます。あ、ひとつ、聞いていいですか?
美奈子  詩のイメージ、とか?
カナ   ええ、どんな感じなのかなあって。
美奈子  秋の空みたいに。広くて、優しくて。そしてそこにもみじが舞ってる。
カナ   もみじ?
美奈子  うん。真っ赤なもみじ。優しいだけじゃなくて、燃え上がるみたいに強いところもある。そんな歌になったらいいなって思ってるんだけど。
カナ   燃え上がるみたいな強さ、かあ。
美奈子  もみじって不思議じゃない?血みたいに真っ赤なのに、どこか優しげで。青い空に舞っていると一つ一つが宝石みたいに見えてくる。
カナ   キラキラしてますよね。一枚一枚が透き通って見えるみたいに。
若林   坂倉先生!いらっしゃいますか?
カナ   あれ?若林さん?
美奈子  どうしたのかしら?今日来るなんて言ってなかったのに。
若林   すいません!入りますよ!
(乱暴にドアを開けて職員室に入る若林。加奈と美奈子に気付く)
若林   ・・・・・・・・あ・・・・・。
カナ   若林さん、ドアはもうちょっと丁寧に開けた方がいいんじゃない?
若林   加奈ちゃん・・・・・いや、誰もいないと思ったから俺もつい・・・・・
カナ   人がいてもいなくてもドアは丁寧に開けるものなのよ。
美奈子  ドアの話はいいとして・・・どうしたんですか?こんな急に。
若林   いや・・・・別に何があった訳でもないんですが・・・・大島さんがちょっと気になることを言ってたもので・・・・
(加奈、後ろで声を殺して笑い出す。)
美奈子  なんですか?その、気になる事って。
若林   加奈ちゃんが思い詰めた表情で学校に行ったって。で、まさか!って言って大島さん外に飛び出したんです。
カナ   (こらえきれなくなって笑い出して)ひっかかったね。若林さん。
若林   へっ?
カナ   (美奈子に)あたしと叔母さんで計画したんです。若林さんの熱血度を確かめようって。
美奈子  やだ、そういうことだったの?(一緒に笑い出し)見事にひっかかっちゃったんですね。若林さん。
若林   ひどいなあ、二人とも。俺は加奈ちゃんを心配してここまで来たんだぞ!
カナ   はいはい、分かったから。どうもありがとう。若林さん。
美奈子  あ、そうだ。今度の詩のことで、一つだけ覚えていて欲しいことがあるの。
カナ   何ですか?
美奈子  誰かを好きだなあ、って思って書いてほしいの。変な言い方だけど、本当の気持ちを書いて欲しいの。
カナ   ・・・・・・わかりました。
美奈子  がんばってね。今回のコンクールはあなたにかかってるんだから。
カナ   はい、出来る限りやってみます。 

ミキ   「美紀、あたしはこの歌に付ける詩を今までで最高だと言えるようなものにしたくて頑張っています。出来上がったら美紀にも送るので、ぜひ待っていてください。秋の空、広くて、優しくて。そして燃え上がるみたいに強くて。そんな詩が書けるかどうか分からないけど、これからも応援よろしく。」
桜子   秋の空ねえ。美奈子も秋の空が好きだから。きっといい曲よ。
アユミ  早く聞いてみたいなあ。その歌。
桜子   美奈子の作った曲に加奈ちゃんの詩がつくんでしょう?間違いなく最高級の歌になるわよ。
ナツミ  最高級かあ。いいなあ。あたしも早く聞きたくなって来ちゃった。
アユミ  そういえば、手紙にあの人のこと書いてなかったんですか?あの、コーヒーこぼしちゃったマネージャーさん。
ミキ   ああ、若林さん?書いてあったわよ。えーとね、「最近叔母さんと共謀して、若林さんをひっかけました。こう言っちゃ失礼なんだけど、結構面白かったです。叔母さんがあたしが思い詰めてるみたいだってうそをついて、若林さんがあたしを追いかけるようにしむけたんです。予想以上に早く来て、あたしは大笑いでした。でも、あたしのこと考えてくれてるんだなあと思ってちょっとうれしかったかな」
桜子   加奈ちゃんもなかなかやるわねえ。まるで昔のあたしみたい
ナツミ  先生もこういうイタズラ良くやってたんですか?
桜子   まあね。やらなかったわけじゃないとだけ、言っておきましょうか。
アユミ  かなりやってたんだね。
ナツミ  うん。間違いない。
桜子   なに内緒ばなししてるの。二人とも。
アユミ  いやだ、別に大したことじゃないですよ。
桜子   そういえば加奈ちゃん、いっつも手紙よね。電話とかはしてないの?
ミキ   電話は加奈がしないでくれてるんです。あたしが喋るのあんまり得意じゃないって知ってるから。それに加奈は、言葉の一つ一つを大切にしたいって。
桜子   さすが作詞家ねえ。でも、あたしは直接話す方が好きだなあ。
ミキ   でもお手紙も楽しいですよ。結構。
桜子   そうかもね。
ナツミ  あっそうだ、先輩の学校って秋休みありますよね。
ミキ   え?ああ、あるけど?
ナツミ  よかった。実はあたし達、合宿やろうって事になったんです。それで、美紀先輩にも来てもらえないかなあって。今年は学校の創立記念日がちょうど土日とつながってて、3日休みじゃないですか。だから。
アユミ  でも3日じゃ少ないから、さらに二日のずる休み。
ミキ   ちょっとまって。それはいけないんじゃないの?
アユミ  でもあたしのお母さんはいいって言ってくれたんですよ。
ナツミ  あたしのお母さんもいいって。
ミキ   (桜子に)どう思います?
桜子   いいんじゃない?今しかできないことだもの。あたしも美奈子とよくそういうことやってたし。
ミキ   ・・・・・・・・本当にいいと思います?
桜子   分かった分かった。じゃあ多数決ね。いいと思う人、手を挙げて!
三人   はーい!
桜子   これでいいでしょ。
ミキ   (少し笑ってうなづき)じゃあ、あたしも一緒に行くから。
ナツミ  やった!
アユミ  先輩、一週間後に出発ですよ。ちゃんと覚えててくださいね。
ミキ   わかった。用意しとく。
ナツミ  あ、桜子先生も一緒にどうですか?
桜子   あたしはいいわ。何よりあたしは教師なのよ。さぼるわけにはいかないもの。
ナツミ  あ、そうかあ。やっぱ大人って大変なんだ。
桜子   まあ、ね。いいことも悪いことも、いろいろあるけど。
ナツミ  へえ。あ、もうすぐ七時。そろそろ帰らないと。
アユミ  えっほんと!いそがなきゃ!
(歩美、夏海去る。)
桜子   さてと、あたしもそろそろ会議だわ。
(桜子去る)
ミキ   秋の空みたいな歌かあ。真っ赤に燃え上がるもみじのイメージは、あたしに加奈を思い出させた。いつでもすごく頑張ってて、あたしを守ってくれている。今もきっと詩を書くのに夢中になってるんだろうなあ。それから連絡は来なかった。少し淋しいけど、加奈は今きっと、ううん、絶対頑張ってるから。詩を書くのに一生懸命になっているから。邪魔をしないようにしよう。そう思った。今頃、加奈は何をしてるんだろう?

カナ   どんな詩を書けばいいんだろう?秋の空みたいな詩。本当の気持ちを精いっぱい出して。
若林   加奈ちゃん。詩の方は進んでる?
カナ   ぜんぜん。
若林   もう一週間くらい経ってるんだ。そろそろいくつか出来上がっていないと俺が困るんだけどな。
カナ   そんなこと言われたって書けないわよ。
若林   でも書いてもらわないと。それが俺の仕事なんだ。
オオシマ 加奈ちゃん。ポスト見てきたけど、何にも入ってなかったわよ。
カナ   ・・・・・・・・・そう。ありがとう。
若林   加奈ちゃん、ほんとはいくつか出来てるんじゃないのか?また俺を引っかけようとしてるとか。
カナ   ほんとに書けてないわよ!今は書けないの!
若林   ・・・・・・加奈ちゃん。
カナ   ごめんなさい若林さん。でも今は書けないの。あたしには。
若林   分かった。じゃあまた今度来るよ。(オオシマに)失礼しました。
オオシマ いいえ。
若林   じゃあ、頑張ってくれよ。
カナ   ・・・・・・うん。
(若林去る)
オオシマ 残念ね。手紙来てなくて。
カナ   (うなづく)
オオシマ こっちから出してみたら?
カナ   ううん、いい。
オオシマ ・・・・・・・そう。詩、頑張ってね。
(オオシマ去る)
カナ   ・・・・・・頑張って、か。
(舞台暗く。通路の後ろから元気な声が聞こえてくる。)
アユミ  美紀先輩!はやくはやく!
ミキ   ちょっとまって。今靴の紐ほどけちゃったから・・・・・
ナツミ  早くしないと電車に乗り遅れちゃいますよ。
アユミ  まだ大丈夫だよ。
ミキ   よし、行こうか!
ナツミ  どんな所かなあ。
アユミ  なんかね、紅葉が綺麗なんだって。ちょっとまだ季節じゃないけど。
ナツミ  でもきっと何本かは紅くなってるよ。あたしカメラ持ってきたから、いっぱい撮ろうっと。
ミキ   そうだ!もし綺麗に撮れたら、加奈にその写真送らない?もしかしたら詩のイメージが湧くかもしれないし。
アユミ  いいですね!
ナツミ  じゃああたし、綺麗なの撮らなきゃ。
ミキ   燃え上がるみたいなもみじがあればいいけど。
ナツミ  きっとありますよ。なかったら探しましょうよ。
ミキ   そうだね。あ、電車!いそがなきゃ!
(三人、走って去る。)

美奈子  もしもし?あ、留守なのかあ。・・・・・あ、坂倉です。ちょっと話したいことがあるので、帰ったら電話を・・・・・・・
桜子   (息を切らして走ってきて、)もしもし!
美奈子  あれ?(首を傾げ、留守伝を続ける)あの、そういうことなので。
桜子   待ちなさいってば!美奈子!
美奈子  (疑りながら)・・・・・・もしもし?
桜子   はい、こちら、上原です!これでいいの!?
美奈子  なんだ、部屋にいたんだったら出てくれればいいのに!
桜子   ちがうわよ!今帰ってきたばっかりなの!
美奈子  あ、そうなんだ。どこ行ってたの?
桜子   献血センター。
美奈子  まだ行ってるの?高校生の時からだよね。
桜子   まあ、趣味みたいなもんだから。で、なに?話したい事って。
美奈子  加奈ちゃんのことなんだけど・・・・・
桜子   なに、何かあったの?
美奈子  ううん、別に何があった、ってわけじゃないんだけど。
桜子   じゃあどうしたの。
美奈子  最近彼女元気がないのよ。だから大丈夫かなって。
桜子   詩のことで悩んでるんじゃない?
美奈子  やっぱりそうなのかな?
桜子   他に原因があると思う?
美奈子  分からないけど・・・・・
桜子   大丈夫よ。加奈ちゃんなら自分で何とか出来るはずだもの。
美奈子  そうか。そうだよね。
桜子   あ、でも。
美奈子  何?
桜子   彼女頑張り屋だから。頑張りすぎなければいいけど。
美奈子  わかった。気を付けるね。
桜子   美奈子もあんまり心配しすぎない方がいいわよ。じゃあ。
美奈子  うん。ばいばい。
(受話器を置く。桜子の居た場所が暗くなる)
美奈子  (電話から離れながら)さてと。楽譜の片づけでも・・・・
(電話が鳴る音。美奈子が急いで電話に駆け寄る。)
美奈子  もしもし。坂倉ですが。
(若林が通路から歩いてくる。)
若林   もしもし、若林です。
美奈子  若林さん。・・・・詩の方、どうなりました?
若林   まだ出来てないみたいなんですよ。すいません。
美奈子  いいですよ。まだ余裕がありますから。
若林   今そっちに向かってるんです。一つだけ出来かけの詩があるので。
美奈子  あ、そうなんですか。じゃあ読ませてもらうことにします。
若林   五分もあれば着きますんで。では。
美奈子  どうも。

(暗い中に加奈が一人、机を前にして座っている。)
カナ   ・・・・・美紀・・・。
(立ち上がり、机の上にあった原稿用紙を手に取る)
カナ   (冷たい表情で)「夢を探しに出よう 大空に白い翼を散らせて。あなたと一緒に行こう 手をつないで。大きく・・・・・・」
(呟くのをやめ、詩の書かれた紙を見つめる。間。)
カナ   ・・・・・。(紙を破き始める)どうして?どうして夢を探さなきゃいけないの?こんなの本当の気持ちじゃない。あなたと一緒に?手をつないで?誰が一緒に行ってくれるの?誰が手をつないでくれるの?美紀に手紙は出した。待ち合わせにしか使わなかった携帯にも電話した。いつも持ってるはずでしょう?どうして出てくれないの?あたしが今こんなに・・・・・・・!
(紙の最後の一切れを破り捨て、手放して)
カナ   ・・・・こんなに・・・・痛いのに・・・・・。
オオシマ 加奈ちゃん!何やってるの!折角書けた詩なのに!
カナ   こんなの、あたしの詩じゃない。
オオシマ すごい上手く書けてたわよ。何で破ったりなんか・・・・
カナ   手紙・・・・・・
オオシマ えっ?
カナ   手紙、来てた?
オオシマ (少しとまどって)いいえ。
カナ   ・・・・・・そう。
オオシマ 加奈ちゃん、気にすること無いわよ。
カナ   ・・・・・・・・・・・。
オオシマ 加奈ちゃん。
カナ   ・・・・・そうだね。・・・・あたし、美奈子先生の所に行ってくるね。
オオシマ え?何をしに行くの?
カナ   今の詩、若林さんが持っていったでしょ、でもあたし、あんな詩美奈子先生に見せたくな          い。・・・・あんなの、あたしの詩じゃない。
オオシマ わかった。行ってらっしゃい。
カナ   うん。いってきます。

美奈子  この詩、ですか?
若林   そうなんですよ。まだ途中なんで何とも言えませんけど。
美奈子  そっちの紙は?
若林   こっちのほうは、加奈ちゃんがノートに書いてたやつです。僕もたまに見せてもらってるんですよ。
美奈子  「力が欲しい あなたをつなぎ止める力が 空を見上げても、もうあなたはいない・・・・・・・」
若林   最近加奈ちゃんの詩、明るさが消えちゃったんですよ。どうしてでしょうか。
カナ   先生!(と、美奈子に駆け寄り、)この詩、使わないでください。
若林   加奈ちゃん。でもこれ一個しかできて無いじゃないか。もしかして、新しいのが書けたのか?
カナ   ううん、書けてない。でも、この詩はあたしの本当の気持ちなんかじゃない。
美奈子  加奈ちゃん、じゃあこれは?(と、紙を見せる)
カナ   それ・・・・・・ちょっと、若林さん!
若林   ちょっと待ってくれ、悪気はなかったんだ。ただ俺は・・・・
カナ   (美奈子に)それがあたしの、本当の詩です。今は書けない。秋空みたいに広くて優しい詩なんて、今は書けない!
若林   書けないって・・・・作詞家になるのは、加奈ちゃんの夢だろう?もうちょっとがんばってくれよ。
カナ   これが夢なら、あたしはこんな夢いらない。作詞家になんて、なりたくない!
若林   加奈ちゃん!
(間。三人、動かない。)
カナ   じゃあ、あたし、これで。
若林   加奈ちゃん・・・・・
(カナ、去る。)
若林   すごい所、見せちゃいましたね。
美奈子  彼女、何かあったんですか?
若林   何か、って?
美奈子  この詩、すごく哀しそうですよね。これが本当の気持ちなら、何かあったんじゃないかなって思って。
若林   何かあったようには見えなかったけどなあ。
美奈子  そうですか。そうだといいんだけど・・・・・
若林   大丈夫ですよ。加奈ちゃんなら。
美奈子  そう・・・・・ですね。
(若林、美奈子去る。美紀、歩美、夏海が現れる。)

ナツミ  先輩、ちょっと、美紀先輩!
ミキ   あれ・・・もうついたの?
アユミ  そうですよ。あたしが何度も起こしたのに、先輩全然起きてくれないんだもん。
ミキ   ごめんごめん。降りよう。
(美紀、夏海、歩美、電車から降りる。)
アユミ  楽しかったですね。
ミキ   うん。
ナツミ  先輩、あたしの取ったもみじの写真、加奈先輩に送ってくださいね。
ミキ   あの写真、ほんとにうまく撮れてるよね。本当に葉の一枚一枚が燃え上がってるみたい。   
ナツミ  じゃあ、あたしと歩美は家こっちですから。
ミキ   うん。また一緒に合宿やろうね。
(ナツミ、歩美去る。)
ミキ   あたしは家へと急いだ。早く加奈に手紙を書きたい。この真っ赤なもみじの写真を見れば、きっと良いアイデアが浮かぶだろう。なんて書こうかな。書きたいことはいっぱいあるけど、この写真があれば言葉はいらないような気もした。燃え上がるみたいな真っ赤なもみじ。
(ミキ、ドアを開けると、)
ミキ   ただいま!
(そして、自分の部屋に急ぐ。)
ミキ   ・・・・・・・・あ。
(机にはたくさんの手紙。それを手に取り、)
ミキ   たくさんの手紙。それは全部加奈からだった。一つずつ、封を開ける。中にはいろいろなことが書いてあった。詩が書けなくて悩んでいること。そしてすごくつらい思いをしていること。あたし合宿に行っている間に、加奈はこんなに苦しんでいたんだ。そう思うと、胸が痛くなった。あたしには今何が出来るんだろう。そうだ。写真。あれにメッセージを添えて送ろう。一言、そう一言だけ。あたしに言える言葉。そう思って加奈に送った手紙、今頃加奈が、手にしているのだろうか。

カナ   ただいま。
オオシマ あ、加奈ちゃん。お帰りなさい。
カナ   叔母さん、あたし、きょう夕飯いらないから。
オオシマ (捜し物をしながら)あ、はいはい。あった!はい、これ。
カナ   何?
オオシマ 来てたのよ。手紙が。
カナ   本当!
オオシマ (うなづく)
カナ   美紀からの手紙・・・・・・一週間ぶりだ。手紙が来ただけで、あたしは救われる気がした。今までの暗い気持ちが全部どこかへ行ってしまう気がした。美紀なら、あたしの気持ちを分かってくれる。あたしの痛みを、分かってくれる。少し。そう、少しためらいながら、あたしは封を開けた。そして・・・・・・・・・・・!
オオシマ なんて書いてあったの?あたしにも・・・・
(カナ、手紙を手でつぶし、部屋へ走り去る。)
オオシマ 加奈ちゃん!?どうしたの!?加奈ちゃん!
(オオシマ、ドアをたたくが、返事はない。)
カナ   (座りながら)一枚の便せん。そして真っ赤な、もみじの写真。書いてある言葉が、あたしを貫いた。(少し笑い)「ガンバッテ」。
(カナ、下を向いて笑い出す)
カナ   「ガンバッテ」!?これ以上何を頑張るの?あたし頑張ってるじゃない。叔母さんも、若林さんも、美奈子先生も。何で?何で美紀まで、そんな事言うの?痛いのよ。あたし、痛いのよ?もう詩なんか書きたくない。作詞家になんかなりたくない。夢なんか欲しくない!
(カナ、もう一度下を向き、)
カナ   ・・・・・・・美紀・・・・・やめてよぉ、美紀・・・・・・・・。
オオシマ (ドア越しに聞きながら、)加奈ちゃん・・・・・

(舞台薄暗く。通路からミキ、桜子、歩美、夏海が現れる。)
アユミ  美紀先輩、教えて下さいよ。手紙になんて書いたのか。
ミキ   当ててみてよ。夏海ちゃん、まだ分からない?
桜子   美紀ちゃん、あたしには教えてよ。手紙に書いた一言。二人には言わないから。
ナツミ  あ、先生、ずるい!
アユミ  あたしたちこれでもけっこう真剣に悩んでるんですからね。
桜子   いいじゃない。ねえ、美紀ちゃん。
ミキ   じゃあ先生、耳かしてもらえますか?
(ミキ、観客席に向かって言う。が、歩美たちの声にかき消されて聞こえない。加奈、何か気づいたように頭を上げる。)
カナ   (薄暗い中で)ヤメテ。

アユミ  あ〜!先生、ずるい!
ナツミ  美紀先輩、教えて下さいよ。
桜子   ごめん、美紀ちゃん、聞こえない。
ミキ   だから・・・・・・・・。
(またもかき消されて聞こえない。)
カナ   イヤダ。

アユミ  何であたしたちに教えてくれないんですか!
ナツミ  あたしたち、先生と美紀先輩にからかわれてるんじゃない?
桜子   ねえちょっと。ほんとに聞こえないんだから。美紀ちゃん、もう一回。
ナツミ  ほらぁ、やっぱりからかってる。
ミキ   そんなこと無いってば。(桜子に)こう、書いたんですよ。

ミキ・カナガンバッテ。

(間。桜子、立ちつくす。)
桜子   そう、書いたの?
アユミ  先生、なんだって?
ナツミ  歩美はいいから、あたしに教えて下さいよ。
アユミ  あ、何それ。ひど〜い。
ミキ   ええ。イメージが浮かべばいいと思って写真も入れたんですよ。夏海ちゃんが取ったきれいなやつ。
桜子   そう、別にいいんだけど、でも・・・・・・・!
ミキ   え?
桜子   ・・・・・・あ・・・ううん。何でもない。早く加奈ちゃんの詩が見られるといいわね。
ミキ   もちろん!あたしたち、楽しみにしてるんですから!

(一瞬、舞台暗く。明るくなると、オオシマが居る。)
オオシマ もしもし、あ、あの、坂倉美奈子先生お願いします。あ、はい、
美奈子  もしもし、坂倉ですが。どうしたんですか?
オオシマ あの、加奈ちゃんのことで・・・・
美奈子  ああ、最近彼女、元気ないですよね。あたしも心配していた所なんです。
オオシマ ええ。ちょっといろいろあったんです。(何かを言おうとし、ためらって)詳しくは言えないんですけど、加奈ちゃん今頑張りすぎてるんです。
美奈子  頑張りすぎている・・・・・・?
オオシマ みんなが加奈ちゃんに「がんばれ」っていいますよね。ずっとそれに応えてきたんです。そして自分でも気づかないうちに自分を追いつめてしまったんです。
美奈子  何が、あったんですか?
オオシマ 私には言えません。加奈ちゃんにとってとても大切なことだから。ただ・・・
美奈子  ただ?
オオシマ 分かってあげてほしいんです。加奈ちゃんが今苦しんでいるんだって事を。
美奈子  ・・・・・・・。
オオシマ 分かってあげて下さい。
美奈子  ・・・・・・はい・・・・・・!
オオシマ ありがとうございます。じゃあ・・・・
美奈子  あ、待って下さい!
オオシマ え?
美奈子  どうして、話してくれたんですか?こんなに大切なこと・・・
オオシマ 当たり前じゃないですか。
美奈子  えっ?
オオシマ だって、あなたは加奈ちゃんの「先生」でしょう。
(オオシマ、電話を切る。)
美奈子  先生・・・・・・か!
(間。と、突然若林が飛び出してくる。)
若林   坂倉先生!
美奈子  若林さん!どうしたんですか?
若林   加奈ちゃんが、加奈ちゃんが大変なんです!
美奈子  ・・・・・・・・・どこに、いるの?
若林   加奈ちゃんの・・・大島さんの家です。
(美奈子、客席に向かって走り出す。若林、とまどいながらもそれに続く。戻ってくると、舞台には破れた紙に埋もれてカナとオオシマが。)
美奈子  加奈ちゃん!
カナ   ・・・・・・・・・・・。
若林   今までのノート、全部破っちゃったんです。カッターやナイフまで持ち出して・・・・・・
カナ   ・・・・・・・・・・・・・・・。
オオシマ (落ち着いた声で)加奈ちゃん。
カナ   (何かを言う)
若林   えっ?
カナ   アタシココニイタクナイ。
美奈子  ・・・・・・・。
若林   弱ったなあ。ほんとに締め切りまでに書いてもらわないと困るんだよ・・・このペースじゃ一作仕上がるかどうか・・・・・
美奈子  (強い口調で)若林さん。
若林   あ、はい。
美奈子  やめて下さい。見て分からないんですか?加奈ちゃんが苦しんでること、これを見ても分からないんですか!(と、散らばっている紙を取り上げ)「上に昇ろう どうやったら昇れる? そう、そうだ、いっそのこと、天使にでもなってみる!?昇るときには、苦しまないでいいでしょう?」・・・加奈ちゃん言ってました。楽しい詩は、楽しいときにしか書けないって。じゃあ、これはどうなんですか!?
若林   どう、って言われても・・・・
カナ   (紙を破き続けている)
若林   ・・・・・・あ・・・・・・・・!
オオシマ 若林さん・・・・・。
若林   哀しい詩は・・・・・
カナ   (つぶやくように)哀しいときにしか、書けないの・・・・・。
(舞台暗く。カナが観客席の方から舞台へと歩いてゆく。帽子に大きなバッグ。)
カナ   あたしは、秋田に帰ることになった。一日。一日という短い時間。でも、とっても長い時間。美紀は、あたしを迎えに来ているのだろう。美紀に会える。嬉しいはずなのに、なのに。
(ミキも同じく、観客席の左側の通路から)
ミキ   加奈が帰ってくる。会わなくなって、どれくらいたったのだろう。半年・・・・ううん、一年。一年も経っているんだ。あたしは変わってない。歩美ちゃんも、夏海ちゃんも、桜子先生も。でも、加奈は?
(二人、舞台に上がる。二人の間には、不自然な距離。)
ミキ   加奈・・・・・・。
カナ   ・・・・・・・・美紀。
(間。やはり不自然な空気)
ミキ   久しぶり、だね。
カナ   うん。
ミキ   どっか、行く?
カナ   うん。
ミキ   でも、びっくりしちゃった!突然帰ってくるなんて。
カナ   あ、ちょっと、ね。
ミキ   (いぶかしそうな目で見て)・・・・・・・加奈・・・?
カナ   え?
ミキ   あ、何でもない。ねえ、カナはどこに行きたい?
カナ   歩美ちゃんやナツミちゃん達に会おうかな、と思うんだけど・・・・・
ミキ   変わってないよ。二人とも。じゃあまず、中学校に行こうか。
カナ   うん。
ミキ   ねえ、加奈。
カナ   え?
ミキ   加奈、変わったよね。
カナ   そう、見える?
ミキ   うん。別の人みたい。
カナ   ・・・・・・・そっか。
ミキ   ・・・・・。
(チャイムの音が聞こえる。夏海、歩美が現れる。)
ナツミ  加奈先輩!
アユミ  久しぶりですね!
カナ   うん、久しぶり。
桜子   加奈ちゃん!帰ってきたんだ!
カナ   桜子先生。
ミキ   ね、みんな、変わってないでしょ。
カナ   うん。
ミキ   ねえ、加奈。
カナ   え?
ミキ   加奈、変わったよね。
カナ   そう、見える?
ミキ   うん。別の人みたい。
カナ   ・・・・・・・そっか。
ミキ   ・・・・・。
(チャイムの音が聞こえる。夏海、歩美が現れる。)
ナツミ  加奈先輩!
アユミ  久しぶりですね!
カナ   うん、久しぶり。
桜子   加奈ちゃん!帰ってきたんだ!
カナ   桜子先生。
ミキ   ね、みんな、変わってないでしょ。
カナ   うん。
アユミ  先輩も、変わってないですよ。
カナ   ううん、あたし、変わったよ。
ナツミ  そんなこと無いですよ。
カナ   ・・・・・・・・・・。
桜子   美紀ちゃん、これから一緒に、どこ行くつもりなの?
ミキ   あたし達の通ってた小学校にでも行こうかと思って。
桜子   ああ、あのきれいなもみじのあるところ?
ミキ   ええ。今、真っ赤になってるから。あれ見ればきっと詩のイメージも浮かぶよ。加奈。
カナ   ・・・・・・・うん。
ミキ   じゃあ、あたし達今から小学校に行って来ます。
ナツミ  先輩、どうしたんですか?なんか元気ないですよ。
カナ   え?ああ、何でもないなんでもない。ありがと、心配してくれて。
ミキ   加奈、行こう。
カナ   うん。
(カナ、ミキ去る。)
ナツミ  先輩、なんかあったのかな。
桜子   加奈ちゃん思い詰めてるみたいだったから・・・・何もなければいいけど。
ナツミ  何もなければ・・・・って・・・・
(夏海、カナ達を追いかけようとする。)
桜子   夏海ちゃん!
アユミ  先生、行かせてあげて下さいよ。
桜子   え?
アユミ  夏海は先輩達が心配で、追っかけていったんです。口ではいろいろ言ってても、結構心配性だから。
桜子   ・・・歩美ちゃんは?
アユミ  あたしはここにいますよ。
桜子   どうして?
アユミ  だって先輩達、仲直りをしにいったんですよ。
(舞台薄暗く。通路から歩いてくるカナに明かりが。)
カナ   あたし達は小学校に向けて歩いていった。すこし、話をした。学校のこと、部活のこと。そして、詩のこと。でも、昔とは何か違って、すごく、美紀が遠い。あたし達が小学校の頃、毎日一緒に通った道。あのころつないでいた手も、本当に、そう、手が届かないくらい離れてしまっている。もう少しすれば、学校の校庭にあるもみじの木が見えてくる。(少し笑って、)美紀はまた、「がんばって」っていうんだろうなあ。あたしこんなに、ぼろぼろなのに。
ミキ   ねえ、加奈。
カナ   ん?
ミキ   あたしたち、遠くなっちゃったね。
カナ   ・・・・・・(穏やかにほほえみながら)そうだね。
(二人、同時に立ち止まり、上を見上げる。)
二人   ・・・・・あ・・・・・・。
(そこには、真っ赤なもみじの木。)
ミキ   きれい、でしょ。
カナ   うん。
(間。二人動かない。)
二人   ・・・・・・・・・。
(小学生の声。ざわめくように遠く聞こえる。)
カナ   怖い。美紀が、「ねえ、加奈」そう言って、あたしがそれに応えたら。きっと、あの答えが返ってくる。あたしをぼろぼろにした、あの言葉が返ってくる。
ミキ   ・・・・・ねえ、加奈。
カナ   やめて。美紀、お願いだから。あたしにナイフを突きつけないで!・・・・・いやだ、いやだ!
ミキ   加奈、聞いてる?
カナ   やめて、目の前が真っ赤。血みたいに、真っ赤・・・・!言わないで。あの言葉を言わないで!ほんとにあたし、痛いから!傷だらけでぼろぼろで、血で真っ赤に染まってるから!痛い、痛いから!やめて!美紀、やめて!
ミキ   ・・・・・・・。
カナ   聞きたくない聞きたくない聞きたくない・・・っつ・・・・・・・!
ミキ   加奈の詩のもみじも・・・・
カナ   ・・・・・・・・・・。(震えながら立っている。)
ミキ   こんななのかなあ。
カナ   ・・・・・・・・・・。
ミキ   加奈・・・・
カナ   ・・・・・・・・・・。
ミキ   詩、がんばってね。
(ふと、すべてが止まる。小学生のざわめきもはたと途絶える。加奈、下を向いたまま話し始める。)
カナ   ・・・・・ねえ、美紀。
ミキ   え、何?
カナ   あたしがどんなに苦しかったか、痛かったか、美紀は知らないんだよね。
ミキ   ・・・・・え、加奈、どういうこと?
カナ   見せてあげる。
ミキ   見せてあげる、って・・・・
カナ   あたしがどんなに傷ついたか、どんなに痛かったか、美紀に分かってもらいたいから、(ほほえみながらも震えた声で)だから、見せてあげるね。(ナイフを自分の腕に向かって振り上げる)
(深い音。舞台暗く。)
ミキ   (暗闇の中で)・・・・・・え?
(ミキ、暗闇に薄く浮かび上がる。前には加奈が倒れている。)
ミキ   ・・・・・・わからなかった。なにも、わからなかった。気がつけば風が吹いて、もみじと、加奈の真っ赤な血。いっしょになって、はらはら、舞った。
ナツミ  先輩!
(舞台明るく)
ミキ   (動かない)
ナツミ  美紀先輩!
ミキ   (顔を上げて)・・・・なつみ・・ちゃん・・・・?
ナツミ  早く加奈先輩を病院に運ばないと・・・・・・・(ミキに)美紀先輩!
ミキ   あ、うん、そう。そう、だよね・・・・・・・
桜子   美紀ちゃん!
ミキ   桜子先生。
ナツミ  先生、いつ来たんですか?
桜子   やっぱり心配になって、今来たの。もうちょっとで救急車がくると思うわ。多分心配ないと思うけど・・・・・
(舞台暗く。救急車の音。だんだん大きくなり、途切れる。カナに明かりが。遠く風の音が聞こえる。)
カナ   (しゃがみ込んでいる)・・・美紀、分かってくれたかな・・・・?
(赤い光がちらちら舞う。桜子、そして様々な人々が行き交う。と、舞台の隅に人影が。)
カナ   ・・・・・・だれ?
人影   ・・・・・・・・・ほんとに・・・・
カナ   え?
人影   ほんとに、これでよかったのかなぁ・・・・・?
カナ   誰?美紀、美紀なの?
ミキ   加奈。
カナ   美紀、分かってくれたよね・・・?あたしがぼろぼろで、痛くて・・・・
ミキ   やめて!
カナ   美紀!?
ミキ   加奈・・・・どうしてこんなことしたの!?どうして?何にもわかんないよ。目の前が真っ赤で、何考えたらいいかもわかんなくて・・・・・加奈・・・・・どうしてこんなことしたの!
カナ   ・・・・・分かってくれなかった・・・・の・・・?
ミキ   分かんないよ!頭の中がぐちゃぐちゃで・・・・・加奈がこんな事になって・・・それはあたしのせいで・・・・分かんない、分かんないよ!
カナ   美紀。
ミキ   あたしだって嫌だった!加奈がどっかに行っちゃって、楽しそうで、あたしの知らないところで笑ってて、それで・・・・それで!
カナ   美紀!
ミキ   ここ、すごく寒いよ。加奈の心って、こんなに冷たいの!?ねえ、加奈、どこ行っちゃった         の・・・?あたしの好きな加奈は、どこ行っちゃったの・・・・・?嫌だよ!戻ってきてよ!加奈ぁ・・・・・
カナ   美紀・・・・どうしよう・・あたしどうすればいい・・・・・?泣かないで・・・泣かないでよぉ・・・
ミキ   戻ってきて、加奈、戻ってきてよぉ・・・あたしの所に、戻ってきてよ!
カナ   今行く!今行くから!美紀、泣かないで・・・・
(カナ、ミキの所に行こうとする。風の音一段と強くなる。)
カナ   だめ!冷たい・・・・足が凍えそう・・・美紀!こんな川、わたれないよ!
ミキ   待って・・・・・もう少しでくるから・・・・
カナ   美紀・・・・・・!
ミキ   もう少しで来るから。もう少し・・・・・・・来た!
(舞台明るく。)
カナ   わぁ・・・・・・・・
(カナ、ゆっくり美紀に歩み寄りながら)
カナ   真っ赤なもみじが、燃え上がるようなもみじが、川を一面覆い尽くしている。一つ一つが宝石みたいで、きらきらしてて。(空を見上げ、)透明な秋の空も、あたしを包むような雲も、ここにあった。真っ暗だったから、見えなかっただけだったんだ・・・・・・!
(カナ、美紀の前で立ち止まる。)
ミキ   加奈・・・・・・。
カナ   ・・・・・・美紀。
(二人ほほえみ、手をつなぐ)
ミキ   帰ろっか!
カナ   うん!
(舞台暗くなり、スポットが客席を横切る。すぐに明るくなり、ソファに寝ていたカナが起きあがる)
カナ   ・・・・・あ・・・・
ミキ   加奈・・!加奈ぁ・・・・よかったぁ・・・・・・っ!
カナ   美紀。
ナツミ  先輩!どうしてこんな事したんですか!あたし心配で、追っかけていったら、こんな事になって       て・・!
カナ   夏海ちゃん・・・ごめんね、心配かけて。
ナツミ  ・・・・・・。
カナ   そして、ありがとう。
桜子   加奈ちゃん。
カナ   桜子先生。・・・・・歩美ちゃんは?
桜子   もうちょっとで来ると思うわ。彼女、「先輩は仲直りしに行くんだ」って言って学校に残ったのよ。
アユミ  先輩!
カナ   歩美ちゃん。
アユミ  (ほほえんで)・・・・仲直り、できました?
カナ   (うなづく)
アユミ  よかった!
カナ   ・・・・歩美ちゃん!
アユミ  え?
カナ   ありがとう。あたしのこと、分かってくれて。
桜子   加奈ちゃん、良かったわね。
カナ   あたし、分かって欲しかった。あたしが美紀と仲直りするんだって事。だから来て欲しくなかった。でも、心配して欲しかった。追いかけてきて欲しかったの・・・・・。
ミキ   加奈・・・・・
カナ   ありがとう。

カナ   じゃあ、あたし行くね。
ナツミ  もう平気なんですか?一日しか経っていないのに・・・・
カナ   平気よ!何より一日だけの予定のはずが、二日になっちゃったんだから。急いで帰らなきゃ!
(桜子現れる)
カナ   いってきます。
桜子   いってらっしゃい。
カナ   (声をひそめて)ねえ、先生。
桜子   なに?
カナ   変なことかも知れませんけど、何で先生献血が趣味なんですか?
桜子   ほんとに変なこと聞くわね。どうしてそんなこと聞くわけ?
カナ   あの・・・・・あたし、不思議な夢見たんです。病院で寝てる間に。
桜子   (ほほえみながら)へえ、どんな?
カナ   夢の中に、美紀が居て。そして話をしたんです。そこには冷たい川があって、あたしがわたれないでいたら、真っ赤なもみじが流れてきたんです。燃え上がるみたいで、美紀の暖かい血みたいな。あたしのつめたい血を、暖めてくれたんです。
桜子   それでそれで?
カナ   先生にも、そう言うことがあったんですか?
桜子   さあね。
カナ   ごまかさないでくださいよ!
桜子   でもね加奈ちゃん、私たちには、輸血の血が誰から来たのかなんて分からない。でも、例えばあなたに使われたのが美紀ちゃんの血で、それで彼女が夢に現れたとしたら、ステキじゃない?
カナ   それは、まあ・・・・
桜子   あたしはね、夢みたいだけど、それを信じてもいいんじゃないかって思ってるの。で、やっぱり献血っていいものだなって思ってるって訳なのよ。
カナ   そうか・・・・じゃあ、あたしもそう信じてみることにします。不思議なことって、あるはずだから。
桜子   そうね。加奈ちゃんと美紀ちゃんにも、あたしと美奈子にも、そして歩美ちゃんと夏海ちゃんにも、ステキな事ってあるのよ。きっと。
ミキ   加奈!
カナ   美紀、行って来るね。
ミキ   うん。
(電車が来る)
カナ   (手を振り、美紀に背中を向ける。)
ミキ   加奈・・・・
カナ   え?
ミキ   詩、がんばってね!
カナ   もちろんよ!
アユミ  いってらっしゃい!
ナツミ  手紙、またくださいね!
ミキ   (下を向き)がんばってね。加奈。

若林   大島さん、ありがとうございます。
オオシマ いいんですよ、コーヒーくらい。
若林   あ、砂糖いただけますか?
オオシマ はいどうぞ。
若林   どうも。
カナ   ちょっと若林さん!コーヒーは・・・・・
若林   うわっ!加奈ちゃん!(と、コーヒーを落とす。)
カナ   やめてって言おうと思ったのに・・・・あ〜あ、あたしのパソコン・・・・
オオシマ これはまた派手ねえ。
若林   ・・・・いくらだっけ・・・・・
カナ   二十九万八千円。
若林   加奈ちゃん・・・・・・(上目遣いで見る)
カナ   (笑いながら)いいよ。若林さん。

カナ   あれから一週間。詩は、すぐに書けた。あのとき、夢で見た景色。あれをそのまま、描いた。
(手に持った紙を広げ、)
カナ   美紀へ。あたしたちの詩です。「秋空のうた」。
(かすかな音楽、ミキ、手紙を持ち現れる。)
カナ   秋の空見つめれば 雲が私を包み込む
ミキ   あなたの髪が風になびく 電車は 動き出した
カナ   ほほえみを絶やさずに 生きていこうと思ったけど
ミキ   泣きたい日がなかったわけじゃない 弱い私だから
カナ   いつだってあなたが そばにいてくれたから
ミキ   ほほえんでいられたんだ 気づかなくてごめんね
カナ   手紙を出そうよ あなたに届け
ミキ   風に言葉のせて 歌を歌おう
カナ   秋の空見あげれば 街が小さく見えて
ミキ   もみじが空へ舞い上がる 私の言葉のせて
カナ   大きく広がる世界に 目を向けながら
ミキ   今でも私の中にある 小さな想い出たち
カナ   今ならあなたにいえる 空見つめながら
ミキ   ・・・・世界中で一番・・・? 
二人   大好きだよ!
(明るい音楽、大きく鳴り響く。二人、別々に去ろうとして、ふと手紙を見て、笑う。二人が去り、幕。)




Artículo cedido por Ignacio Suárez Beauville
Correo electrónico: ignaciob@terra.es
Web: http://www.geocities.com/nihongobakari